紡木たくファンになるきっかけはいろいろあるけれど、学生のころ「ホットロード」を知るきっかけは本当にいろんな場所にあった。
「別冊マーガレット」を愛読していた流れで読んでいた人もあれば、別マすら読んだこともない、少女漫画にまったく興味の無いクラスの男の子
たちですら回し読みして「ハマった」ホットロード。
クラスの女の子はみんな髪型が和希だった。
当時、春山のステッカーを貼っている原チャリを何度か見かけた。
そして春山や和希、トオルさんや宏子さんがなんだか身近にいるような気がした。
同じ頃、大ブレイクしていたバンドがあった。
「THE CHECKERS(チェッカーズ)」である。
彼らの前髪をたらす独特のヘアースタイル、後ろだけが腰まで長いシャツや、
トレーナーの下からボタンシャツを出すスタイル。
全身チェックのコーディネート。
DCブランド全盛期の中、彼らの愛用していたブランド"45RPM"が流行、
街中の男の子がみんなフミヤだった。彼らの何もかもが流行になった。
彼らはみんな、九州は福岡の出身。
そんな中、ボーカル藤井フミヤの学生時代はやっぱり不良だったようで、
弟でサックス担当の藤井尚之が、
「あの頃のにいちゃんはとっても怖くて一目おかれていた」と当時よく言っていた記憶がある。
「ホットロード」がそんなフミヤの目にとまったきっかけは何だろう?
そしてチェッカーズは「Jim&Janeの伝説」という楽曲をリリースした。
バイクのふかし音からイントロがはじまるこの曲は、
フミヤがホットロードに強く心打たれ、作詞に至ったといわれている。
当時TVなどで本人が話したのを聞いた人もいるようで、
後の彼の自叙伝にも書いてあるという。
「Jim&Janeの伝説」は、
バイク事故で死亡したJimへの哀悼の気持ちを仲間が想う、という設定。
Jimはバイクでガードレールに突進して死亡、運転ミスによるものか、
摘発等に追われた暴走族の逃走の際に起きたものなのかは不明。
一人残された恋人のJaneを仲間の一人が連れ出し、
想い出の高速道路を別れを告げるかのごとく走る。
イントロとラストのフェードアウトで流れるバイクの音。
はたしてそれはかつてのJimのものなのか。
それともJimを想い走る、残された2人のものなのだろうか。
Jim&Janeというからには、この曲の設定は海外である。
だけどホットロード世代の私達にとってはやっぱり春山と和希を想像してしまう。
トオルさんが警察につかまった時、
一人残された宏子さんを気遣い、宏子さんの住むアパートに出没する春山を思い出した。
トオルさんは暴走族の総長を辞め春山に譲った。
もしあの時辞めていなかったら、
トオルさんが事故死したら、
春山はきっと宏子さんを連れ出し走るだろう。
そんな春山も、漫画のラストでは生死をさまよう事故を起こした。
あの時もし本当に春山が死んでいたら・・・
「Jim&Janeの伝説」のごとく、友達のリチャードさんは和希を連れ出し走っていたのかもしれない。
ピリオドの向こうはどういう世界なのだろうか。
※
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