■波の言葉たち 交際約1年半を過ぎようとしていた冬募子と秀巳は、ささいな冗談さえもケンカに発展し、 会うたびごとに、いがみあう言葉を言い合う2人になっていた。 そんな中、”別れ”は秀巳の口から切りだされた。 冬募子の友達は、親切心からか秀巳につっかかる。 「うらぎられたのはオレのほうだ」と言っているのを偶然耳にしてしまう冬募子。 冬募子の前で、クラスメイトのひろみとあてつけのような態度を示す秀巳。 別れたものの、同じクラスの二人は、お互いムキになって距離を置いていた。 素直になれずにいる冬募子は、友達に心を見抜かれ、涙する。 ひろみが秀巳に告白すると知った冬募子は、学校を休んだ。 別れてから知る。こんなに秀巳を好きだったと・・・。 しかし、当の秀巳も学校を休んでいた。二人は偶然にも同じ場所に向かっていた。 二人の思い出の海。 顔をあわせた二人は、素直になれないおたがいの気持ちを思いっきりぶつけあった。 「なんで言ってくれないんだよ」と冬募子に叫び、去ろうとする秀巳の背中。 冬募子は言う、「別れたくない」・・・。秀巳はその言葉を待っていたのだ。 お互いの気持ちをぶつけあった二人は、いつしか素直な気持ちで接することができるようになっていた。 -終- |